ヘモグロビン(英語: Hemoglobin)、Hb(エイチビー)、またはHGB(エイチジービー)とは、血液、赤血球の赤い色素であるヘモグロビンの血中濃度を測定する一般血液検査です。酸素運搬能力、貧血の診断に役立つ血液検査です。
ヘモグロビンは、ヘム(鉄分)とグロビン(たんぱく)が結びつき体内の酸素運搬役を担っています。ヘモグロビンは、身体の呼吸により肺に送り込まれた酸素を肺内部で受け取り全身の細胞に運びます。同時に細胞の代謝によって発生した二酸化炭素を回収し、肺から呼気によって対外へ排出します。
赤血球内のヘモグロビンの量が減少すると、細胞に運ばれる酸素の量が低下しエネルギー不足となり貧血状態に陥ります。また、血液中の赤血球の数が減少すると赤血球に含まれるヘモグロビンの数値も低下します。
ヘモグロビンの検査項目内容
区分 | 項目 | 略号 | 男性の基準値 | 女性の基準値 | 単位 |
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一般血液検査 血液 |
ヘモグロビン | Hb,HGB | 13.0~16.6 *機関A 13.0~18.0 *機関B 13.5~17.5 *機関C |
11.4~14.6 *機関A 12.0~16.0 *機関B 11.5~15.0 *機関C |
g/dl |
※基準値は、検査機関などによって異なります。あくまで健康状態を維持すうための目安と考えておきましょう。
採取した血液からヘモグロビンの濃度を調べます。
赤血球に含まれる色素ヘモグロビンの量は赤血球数と比例している為、ヘモグロビンの数値が高値では多血症、低値では貧血などの病気が考えられます。 一般的に男性の方が女性よりも赤血球数が多い為、ヘモグロビンの量も多い傾向にあります。女性は閉経後に貧血が軽減する場合があります。
加齢によって血液を生成する骨髄の機能が低下すると貧血を起こしやすくなります。その為、70歳以上ではヘモグロビンの検査の基準値を少し下げて判定する機関もあります。
ヘモグロビンの判定目安
区分 | 男性の判定 | 女性の判定 | 判定目安 |
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中・高度上昇 | 20.1以上 | 18.1以上 | 要再検査、または要精密検査 |
軽度上昇 | 16.7~20.0 | 14.7~18.0 | 心配なし |
基準値 | – | – | 異常なし |
軽・中度低下 | 12.0~12.9 | 10.0~11.3 | 要経過観察、生活習慣の改善 |
高度低下 | 11.9以下 | 9.9以下 | 要治療、または要精密検査 |
ヘモグロビンの異常による可能性のある病気
検査結果 | 可能性のある病気 |
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ヘモグロビンが高値 | 真性多血症(赤血球増加症)、偽性多血症(脱水、ストレス)、慢性の心臓病、呼吸器の病気 |
ヘモグロビンが低値 | 貧血(鉄欠乏性貧血、再生不良性貧血、巨赤芽球性貧血、悪性貧血、白血病、胃潰瘍・痔・がんなどによる出血)、多発性骨髄腫 |
貧血症状の大部分を占める鉄欠乏性貧血は普段の食生活改善が必要になります。ヘモグロビンがつくられるときには鉄分、ビタミンB12、葉酸が必要になります。