間接ビリルビン(かんせつ・びりるびん、 英語: Indirect bilirubin)、またはI-Bil(アイビル)とは黄疸の指標と原因の識別に使われる検査項目です。
間接ビリルビンとは、肝臓内でたんぱく質と結合される前のビリルビンのことを言います。間接ビリルビンと直接ビリルビンをあわせた総ビリルビンの検査から、さらに病気の原因、症状を特定したいときに検査します。
間接ビリルビンの検査項目内容
区分 | 項目 | 略号 | 基準値 | 単位 |
---|---|---|---|---|
血液検査 肝臓、胆道系 |
間接ビリルビン | I-Bil | 0.9以下 *機関A 0.1~0.8 (アルカリアゾビリルビン法) *機関B 0~0.8 (酵素法、比色法) *機関B |
mg/dl |
※基準値は、検査機関などによって異なります。あくまで健康状態を維持すうための目安と考えておきましょう。
採血した血液中の間接ビリルビンを測定します。
間接ビリルビンの数値判定目安
区分 | 数値 | 判定目安 |
---|---|---|
上昇 | 1.0以上 | 要再検査 |
基準値 | – | 異常なし |
間接ビリルビンの数値が高い場合は、肝臓系の障害よりも赤血球が壊れている可能性が高く、溶血性貧血などをまず疑います。
間接ビリルビンの異常による可能性のある病気
検査結果 | 可能性のある病気 |
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間接ビリルビンが高い | 溶血性貧血、体質性貧血、新生児黄疸、ジルベール症候群、クリグラー・ナジャー症候群Ⅰ型、クリグラー・ナジャー症候群Ⅱ型、シャント高ビリルビン血症、心不全 |
ビリルビンは毒性が高いため、数値が10mg/dlを超えると神経障害を起こす場合があります。特にたんぱく質と結合する前のビリルビンである間接ビリルビンの数値が上がると脳障害(核黄疸など)を引き起こします。
新生児にみられる神経障害「核黄疸(かくおうだん)」とは
核黄疸(かくおうだん)とは新生児にみられる神経障害のことを言います。母親と胎児の血液型が合わないために、赤血球を敵とみなす抗体がつくられます。この胎児の抗体が赤血球を破壊し溶血の状態を引き起こし、赤血球が破壊されることで間接ビリルビンも体内で増加します。この間接ビリルビンの強い毒性により神経障害を引き起こします。