血圧測定(けつあつそくてい 英語:Blood Pressure)、BP(ビーピー)とは、動脈の血圧を測り、生活習慣病の原因となる状態でないかを検査します。安静時の血圧を基準値とします。運動や精神的な緊張状態でも変化する数値ですので、普段から自分の血圧を把握していると心臓病や脳卒中などの予防につながります。
血圧測定は、最高血圧と最低血圧を測定します。最高血圧とは、心臓が収縮して血液を全身に送り出している状態の血圧(収縮期血圧)で、最低血圧等は心臓が広がった状態のときの血圧(拡張期血圧)です。
血圧は食事や運動、精神的な緊張状態でも変化する検査項目です。1日のうちでも朝、晩などでも変動します。血圧を測定するときは、食事は1時間前、トイレは5分前までに済ませておき、出来るだけ安静な状態で測定すると正しい数値が測定できます。また、就寝中に高血圧が続いている夜間高血圧も健康診断では発見しづらいので注意が必要です。
医療機関で血圧を測定した際、緊張などで血圧が上昇することを白衣高血圧といいます。その逆で自宅など家庭で測定した際に血圧が上昇することを仮面高血圧といいます。白衣高血圧は、普段なれない環境での測定でもありあまり問題視されませんが、仮面高血圧の場合は放置すると心臓や血管に障害が現れる可能性があります。自宅で測る血圧よりも病院で測る血圧は緊張などの影響で5mmHgほど高くなるといわれています。
家庭で測定する際は、最高血圧が135mmHg未満、最低血圧が85mmHg未満を目安としましょう。この数値を超える状態が続くようだと高血圧の可能性がありますので医師の診断を受けましょう。
血圧測定の検査項目内容
区分 | 項目 | 略号 | 基準値 | 単位 |
---|---|---|---|---|
循環器 | 血圧(最高) 収縮期血圧 |
BP | 91~129 *機関A 0~139 *機関B |
mmHg |
区分 | 項目 | 略号 | 基準値 | 単位 |
---|---|---|---|---|
循環器 | 血圧(最低) 拡張期血圧 |
BP | 0~84 *機関A 0~89 *機関B |
mmHg |
※基準値は、検査機関などによって異なります。あくまで健康状態を維持すうための目安と考えておきましょう。
腕に駆圧帯を巻いて血圧を測定します。
血圧測定の数値判定目安
区分 | 最高血圧の数値 | 最低血圧の数値 | 判定目安 |
---|---|---|---|
高度上昇 | 160以上 | 100以上 | 要治療、または要精密検査 |
中・軽度上昇 | 150~159 | 95~99 | 経過観察・生活習慣の改善指導 |
軽度上昇 | 140~149 | 90~94 | 経過観察、生活習慣の改善指導 |
基準値 | – | – | 異常なし |
さらに詳しく分類した日本高血圧学会が発表している血圧測定の判定基準表は以下です。
日本高血圧学会の血圧測定の数値判定基準
区分 | 最高血圧の数値 | 最低血圧の数値 | 判定目安 |
---|---|---|---|
重症(Ⅲ度)高血圧 | 180以上 | 110以上 | 要治療 *どちらか一方で |
中等症(Ⅱ度)高血圧 | 150~159 | 95~99 | 生活習慣の改善、または要治療 *どちらか一方で |
軽度(Ⅰ度)高血圧 | 140~149 | 90~94 | 生活習慣の改善、または要治療 *どちらか一方で |
正常高値 | 130~139 | 85~89 | 生活習慣の改善、または要治療 *どちらか一方で |
正常 | 130未満 | 85未満 | 心配なし *双方基準値以内で |
至適血圧 | 120未満 | 80未満 | 異常なし *双方基準値以内で |
※基準値は、検査機関などによって異なります。あくまで健康状態を維持すうための目安と考えておきましょう。
血圧測定の異常による可能性のある病気
検査結果 | 可能性のある病気 |
---|---|
血圧が高い | 高血圧症、動脈硬化、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、大動脈瘤、メタボリックシンドローム、慢性腎炎、腎不全 |
血圧が低い | 低血圧症、自律神経失調症、貧血、下痢 心臓病、ホルモン・神経などの異常の可能性 *最高血圧が100mmHg以下の場合 |
血圧測定の結果、高血圧と判断された場合、脳血管障害である脳梗塞や脳出血などや、心血管障害の狭心症、心筋梗塞、さらには腎障害を引き起こす原因となります。また、腎臓病やホルモン異常による病気が原因で血圧が上昇している場合もあるため、高血圧気味の人は医師の診断をうけましょう。
加齢によっても血圧の数値は変化します。65歳以上で高血圧の人は、最高血圧140mmHg、最低血圧90mmHg未満を目標とし生活習慣の改善や薬による治療を行いましょう。
血圧が高めの人は、塩分のとりすぎを控え果物や野菜を積極的に食べるよう心がけましょう。適度な運動やストレスを溜め込まないのも大切です。