クロール、塩素(えんそ)、または、Cl(シーエル)とは、生命維持には欠かせない電解質のバランスを調べる検査項目です。脱水時には低い値を、多汗時には高い値になりやすい検査項目でナトリウムという電解質と並行して数値が変動する電解質です。
クロール(塩素)は、体液中に含まれる電解質で生命維持に重要な役割を果たしています。クロールは体内各組織の電解質の平衡に関係しています。体液中の電解質は生命を維持するために一定のバランスで濃度を保っています。このバランスが崩れるとさまざまな病気や体に障害が現れます。
クロールの検査項目内容
区分 | 項目 | 略号 | 基準値 | 単位 |
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腎臓 | クロール | Cl | 99~107 | mEq/l |
※基準値は、検査機関などによって異なります。あくまで健康状態を維持すうための目安と考えておきましょう。
クロールの判定目安
区分 | 判定 | 判定目安 |
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上昇 | 108以上 | 要再検査 |
基準値 | – | 異常なし |
低下 | 98以下 | 要再検査 |
クロールの異常による可能性のある病気
検査結果 | 可能性のある病気 |
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クロールが高値 | 脱水、腎不全、過換気症候群 |
クロールが低値 | アルドステロン症、呼吸不全、嘔吐 |
数値に異常が見られれば、クロール以外の電解質の検査や腎機能検査、動脈血液ガス分析などを行って診断、判定します。クロールとナトリウムの2つの電解質は、並行して数値が変動するため、通常は2項目同時に検査されます。