HCV抗体 (エイチシーブイ・こうたい)とは、C型肝炎(HCV)に感染しているか過去にC型肝炎に感染したことがあるかを検査します。HCV抗体は、C型肝炎ウィルスに感染したときに、身体の免疫反応によって生成される抗体物質です。
C型肝炎ウイルスが体内に入ってくるとHCV抗体が産生されます。HCV抗体の結果が強陽性であれば、現在感染している可能性が非常に高い傾向にあります。HCV抗体の数値が低い場合は過去にC型肝炎に感染し、治っている場合の可能性が高いです。
C型肝炎は、慢性化しやすい肝炎を引き起こすウイルスで、感染している場合は、慢性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進展する恐れがあるため、早急に精密検査などの追加検査を行いましょう。C型肝炎は主に血液を介して感染しますが、自覚症状がなく、ほとんどの場合に慢性化しやすいのが特徴です。
HCV抗体の検査項目内容
区分 | 項目 | 略号 | 基準値 | 単位 |
---|---|---|---|---|
肝臓系 | HCV抗体 | – | 陰性 (-) | – |
※基準値は、検査機関などによって異なります。あくまで健康状態を維持すうための目安と考えておきましょう。
採血した血液中のHCV抗体の有無を調べます。
HCV抗体の数値判定目安
区分 | 判定 | 判定目安 |
---|---|---|
基準値 | 陰性 (-) | 異常なし (*感染なし) |
HCV抗体が高い | 陽性 (+) | 要精密検査、または要治療 |
C型肝炎に感染した時期によっては検査結果が陰性になる場合があります。HCV抗体の特性上、C型肝炎ウィルスに感染してから1~3ヵ月後に血液中に現れ るからです。またC型肝炎は肝硬変の最大原因とも言われ、その原因の約65% (*1)を占めています。[*1 肝がん白書より]
HCV抗体の異常による可能性のある病気
検査結果 | 可能性のある病気 |
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陽性 (+)の場合 | C型急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん |
HCV抗体の検査結果が陽性の場合は、さらにHCV-RNA定量検査や遺伝子型などのウイルスマーカー検査を行い、他の肝機能検査や腹部超音波検査などと組み合わせて診断します。HCV抗体が陽性の場合は、C型肝炎ウィルスを体内に持っているので定期検査を受け、他の人に感染させないよう注意が必要です。