LDH(エルディーエイチ)、乳酸脱水素酵素とは

LDHエルディーエイチ)、または乳酸脱水素酵素にゅうさんだっすいそこうそ、 英語: Lactate Dehydrogenase)とは、心筋、腎臓、骨格筋、膀胱、膵臓、肝臓など多くの臓器に分布している酵素のことで、様々な疾患で上昇する検査項目です。

LDHの数値が高いと悪性腫瘍、肝臓病、心臓病、血液の病気などの疑いが強く、これら病気のふるいわけを行う際にも行う血液検査です。LDHは、体内でブドウ糖がエネルギーに変わるときに働く酵素で全身の様々な臓器、組織の細胞に含まれており、細胞が損傷すると血中に溶け出し数値が上昇します。

LDHは細胞が損傷した際に、細胞に含まれる酵素が溶け出す逸脱酵素として最も有名な酵素です。

LDHの検査項目内容

区分 項目 略号 基準値 単位
血液検査
肝臓、胆道系、他
LDH LDH 220~415 *機関A
200~400 *機関B
IU/l

※基準値は、検査機関などによって異なります。あくまで健康状態を維持すうための目安と考えておきましょう。

採血した血液中のLDHを測定します。

LDHの数値判定目安

区分 数値 判定目安
中・高度上昇 500以上 要再検査、または要精密検査
軽度上昇 416~499 心配なし
基準値 異常なし
低下 219以下 心配なし

白血球の悪性腫瘍である悪性リンパ腫白血病の場合は、LDHの数値が600~数千 IU/lまではっきりと上昇します。筋肉が大量に破壊される筋ジストロフィーなどでも同じぐらい上昇します。心筋梗塞慢性肝炎などの場合は、400~600 IU/lと中等度程度の上昇がみられます。

LDHの数値が高いと「がん」の可能性もあります

LDHの数値が高い場合、白血球のがんである悪性リンパ腫白血病をまず疑いますが、悪性腫瘍が体内に存在する可能性があります。がんが原因でLDHの数値が上昇している場合は、がん治療によってがんが小さくなればLDHの数値は下がります。LDHは腫瘍マーカーとしても役に立つのです。

ただし、LDHの数値が上がらないがんも存在します。LDHの数値が高くないからといってがんの可能性がないとは言えません。以上がある場合は、他の詳しい検査を受け医師の診断を受けましょう。

LDHの異常による可能性のある病気

検査結果 可能性のある病気
LDHが高い H型サブユニット欠損症(ヘテロ接合体)、H型サブユニット欠損症(ホモ接合体)、阻害因子(自己抗体)、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、心筋梗 塞、心不全、ネフローゼ症候群、悪性腫瘍、皮膚筋炎、関節リウマチ、肺梗塞、筋ジストロフィー、進行性筋ジストロフィー、骨髄性白血病、悪性リンパ腫、胃がん、大腸がん、膵がん、溶血性貧血、悪性貧血

LDHはあらゆる臓器、組織の細胞に含まれているため、体内のどこかで異常をきたしていることは分かるがどの臓器、組織の異常なのか特定することは難しいです。症状や他の検査と合わせて総合的に病気を診断します。LDH / AST < 10の場合は、肝障害が考えられます。LDH / AST ≧ 10の場合は、溶血性の病気、白血病、悪性リンパ腫の可能性が考えられます。

LDHは、細かく分けると5つの方に分類することができ、どの臓器に異常があるかの病気特定の手助けとなります。LDH1、LDH2の増加心筋梗塞溶血性貧血LDH2、LDH3の増加は、白血病悪性リンパ腫筋ジストロフィーLDH3~LDH5の増加は、悪性腫瘍転移がんLDH5の増加肝臓障害との関係性が高いです。

同じ活動をする酵素でもたんぱく質の構造が異なるものをアイソザイムといいます。LDHの場合は、LDH1~LDH5までの5種類が存在します。

LDHのアイソザイム別病気リスト

区分 関係性の高い病気
LDH1、LDH2の増加 心筋梗塞、腎梗塞、溶血性貧血、悪性貧血など
LDH2、LDH3の増加 白血病、悪性リンパ腫、筋ジストロフィー、多発性筋炎、消火器がんなど
LDH3~LDH5の増加 悪性腫瘍、転移がん など
LDH5の増加 急性肝炎、うっ血肝、肝細胞がん、子宮がん、筋ジストロフィーなど

LDHと関連のある検査項目

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